出荷休止のお知らせとお詫び(2020年9月)。

いつも七三農園の野菜セットをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

このたび、しばらくの期間、野菜の販売を休止させていただくことになりました。

 

=============================
【お知らせとお詫び】

令和2年9月1日から約1か月間、出荷を休止させて頂きます。

宅配セットのお客様には、順次、連絡を差し上げているところです。

早ければ、10月上旬に再開の予定です。

野菜の生育状況は、本ブログやfacebookでお知らせ致します。

大変ご不便をお掛けしますが、何卒宜しくお願い致します。

=============================

 

◆休止の理由

 令和2年6~7月の長雨と日照不足、同8月の酷暑と水不足により、野菜の生育が著しく悪く、7~8品目が揃わないため。


◆休止の期間

 令和2年9月1日(火)から9月30日(水)ごろまで。

 野菜が順調に生育すれば、10月上旬に再開の予定です。


◆2020年10月以降にお届け予定の品目

里芋(赤目大吉、石川早生)
さつまいも(パープルスウィートロード、紅はるか、安納芋)
大ショウガ、栗かぼちゃ、インゲン豆、葉大根、きゅうり、
チンゲン菜、ロメインレタス、サニーレタス、ニンジン葉、
その他、葉野菜など。

皆様にはご不便をおかけしますが、また明るいご連絡ができますことをご期待ください。

気候の変わりやすい時節ですが、どうぞご自愛ください。

令和2年8月31日(野菜の日) 七三農園 代表 岩見潤治

ゴメンナサイ!


◆やや長い言い訳

例年「塔立ち」を迎える春2~4月までは出荷を休止させていただいておりますが、夏に休止したのは初めてです。

今年は6月から7月末までの超長雨と日照不足に加え、8月の異常乾燥と酷暑が続き、夏の主力であるピーマン、フルーツパプリカ、万願寺とうがらし、伏見甘長とうがらしが枯れました。

お盆期間中は、灌水に力を入れ、回復を試みましたが、盆以降も続いた酷暑に耐えきれませんでした。

反省としては、「盆明けから気温が下がる」という天気予報に惑わされずに、念を入れて「液肥の葉面散布」を行い、生育の回復を行うべきでした。


************************

一般に、9月は野菜の生育が難しい時期で、いわゆる「端境期」(はざかいき)になります。

高温と乾燥が続くため、野菜の生理上、アブラナ科やキク科野菜の栽培が難しいためです。

このため、ナス、トマト、ピーマン、甘とうがらし、空芯菜、モロヘイヤ、枝豆、きゅうりなど、夏に強い野菜でしのいで行くことになります。

また、6~7月に収穫して貯蔵できる、玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、かぼちゃなどで、品目数を補うことになります。


2020年は、いろいろと悪い条件が重なる年で、


×前年の暖冬と6月の「ベト病」の流行により、玉ねぎの収量が少なかった。


×初めて導入したニンニク、「上海早生」という品種の生育が悪かった。


×たまたま、じゃがいもの植え付け量が少なく、出荷量も絞らざるを得なかった。

全国的に見ると、7月の長雨で、じゃがいも収穫のタイミングが合わず、腐らせることが多かったようです。

七三農園では、運良く、中古のじゃがいも掘り機が導入できたため、無事に全量を収穫できましたが、作付け量そのものが少なかったのです。


×夏用に多めに植えたミニかぼちゃが、7月の長雨のため、ほぼ全滅した。

 七三農園では、例年、6月蒔きの抑制かぼちゃを栽培し、10月から出荷するのですが、今年は夏に出荷しようと思い、ミニかぼちゃを多めに作付けしましたが、長雨に叩かれて、見事に腐りました。これは全国的に同じ傾向と思われ、かぼちゃが高騰すると思います。


×7月長雨の影響で、畑に水が溜まり、長ネギが植えられなかった(この冬の出荷量が少なくなります)。

×これらに加えて、シカによる食害がひどく、点在するすべての畑をネットで囲うという、気の遠くなるような不毛な作業を行わざるを得なくなっています。


ついでに、今年はトビイロウンカの警報が発令されており、昨年に続いて、県内各所で水稲のツボ枯れ病が出始めています。

七三農園では、トビイロウンカに強いと言われている「夢まつり」を栽培しているので、今の所、生育は順調ですが、西日本では水稲の収量が減少すると思われます。


このように、前の年から続く天候不良に加えて、厳しい気候や自然条件に左右され続けているのが農業の現状です。

今現在、市場の野菜が高騰していますが、このような事情があるということをご理解頂ければと思います。

 

お手上げの白旗です。

 


一方で、このような厳しい気候条件であっても、大きなビニールハウスと遮光ネットと灌水設備(点滴灌水が良いと思われる)を備えていれば、夏でも出荷できたでしょう。

実際に、ハウスで葉物野菜を専門に有機栽培を行っている先輩農家さんでは、夏のコマツナ、小ネギが順調だと聞きました。

また、長雨でも、排水ポンプを備えていれば、被害は軽減できたでしょう。

酷暑であっても、すべての畑に灌水チューブを備えていれば、被害は軽減できたでしょう。

さらに、葉面散布の手間を惜しまなければ、夏を乗り切れたかもしれません。


しかし、実際は、あちこち点在する休耕地を借りて作付けするような条件では、設備を備えるのは難しい。

また、資材費の出費が、野菜の値段に上乗せされてしまう。

さらに、真夏の炎天下で、追加の作業を行うことも、かなり厳しいのです。


このため、約1か月間は出荷を諦めますが、何とかこの厳しい気候を乗り切って、秋冬に向けて頑張って行きたいと思います。

大変ご不便をおかけしますが、何卒ご容赦のほど、宜しくお願い致します。


令和2年8月31日(野菜の日) 七三農園 代表 岩見潤治