令和7年7月下旬の野菜セット。悲喜こもごもすぎる夏。
7月12日に野菜セットを再開し、何とか無事に7月分をお届けすることが出来ました。
5か月間も出荷が止まったにも関わらず、定期発送のお客様全員が再開を受け入れてくださり、本当に感謝しております。
不定期出荷やご新規のお客様にはまだご案内も出来ておりません。
当面の間は出荷数を抑えて、超低空飛行で継続したいと思います。
トマトなど少し余裕のある作物は「道の駅西条・のん太の酒蔵」にごく少量を出荷します。
9月には、夏野菜の終焉とともに秋冬野菜にはまだ早いという「端境期」を迎えるため、また出荷がストップする可能性がありますことをご容赦願います。
≪悲喜こもごも、いろいろありすぎる2025年の夏≫
さて、2023年の「地球沸騰時代」、2024年の「地球蒸発時代」を超えて、2025年はもう「地球壊滅時代」と言えるほどの異常高温、異常乾燥が続いています。
最高気温は軒並み30℃を超え、北海道で40℃、群馬県伊勢崎で41.8℃を記録するなど、1898年の観測開始以降「もっとも暑い7月」になっています。
七三農園でも「悲喜こもごも」いろいろありすぎて、ブログやSNSを書く時間もありませんでした。
それらの一部をご紹介します。
まず「悲しみ」から。
★ピーマン類200本がすべて枯れました。
タネから育てたフルーツパプリカ、万願寺とうがらし、伏見甘長とうがらし、ピーマン、それぞれ50本の計200本。これらが全て枯れてしまい、今年は皆様にピーマン類をお届け出来なくなりました。
ピーマン類は葉が弱いので初期成長を促し、強光には遮光ネット、適度に潅水を行うことが鉄則です。
ただ、どうしても田植え、草刈り、その他の野菜の管理、出荷が忙しくなる時期と重なるので、とくに潅水が後回しになりがち。
昨年に緑肥ソルゴーで土づくりをした最高の場所を選定したのに、あれよあれよという間にすべて枯れてしまいました。
上手く行けば10月下旬まで出荷可能な野菜4品目を一気に失ってしまい、悲しみよりも驚きが大きいです。
★じゃがいも、インゲン豆のイノシシ被害が大きい
以前にも書きましたが、じゃがいもは花の段階で700株すべてをシカに喰われ、ようやく回復して来たところをイノシシに掘られました。
これまでじゃがいもが獣害に遭うことはほとんど無かったのですが、これほどの被害を受けるとは、悲しみよりも驚きが大きいです。
もう出荷は諦めて、秋冬の種芋として保存しています。
インゲン豆も明日から出荷、というタイミングで全株をイノシシに喰われました。
七三農園では全体の約60%に当たる約1ヘクタールの田畑をすべてネットで囲っています(気の遠くなるような労力とネット代が必要です)が、シカに対してはある程度効果はあるものの、イノシシに対してはまったく無力です。
イノシシから見れば「食べ放題のオーガニック・レストラン」の「暖簾」をくぐって毎晩好き放題食べる、という感じでしょう。
★電気柵、箱わな、くくりわなを設置
これ以上の獣害が生じると、もう本当に倒産!というところまで追いつめられているので、市の補助金を申請し、電気柵を初めて設置。
また近所の猟師さんにお願いして「箱わな」1基と「くくりわな」4本を掛けて頂きました。
ただしイノシシは非常に警戒心が高いので、今のところは反応なしです。
そればかりか、一度は電気柵に触れて感電し、怒り狂ったのか、電線を喰いちぎっていました。
おかげで学校給食用に育てたカボチャは何とか守られました。
ちなみに電気柵の1段目は地上15センチ、2段目30センチ、3段目60センチと非常に低く設置しているため、1週間に1回の草刈りが必要で、なかなかしんどいです。
★サツマイモ300本が全滅
昨年から有機JASでは市販のサツマイモ苗は実質的に使用できず、有機JAS認証を得た苗を使わなければならなくなりました。
香川県の「さぬき有機」さんで購入し、なんとかタイミングを合わせて定植。
順調に育っていたのに、電気柵が届かない場所にあったため、わずか2、3日で全株を掘り起こされて全滅。
さすがに1晩は悲しみに打ちひしがれましたが、もう笑って諦めるしかない。
うちの地域では、他の農家も家庭菜園もみんなイノシシ被害を受けているようです。
今年はイノシシ被害から学ぶことが多かったので、来年は配置計画をしっかり練り、被害の予想される品目はすべて電気柵で囲うようにします。
★機械トラブルが多すぎた
こんなに色々苦労しているところに機械トラブルが頻発!!
農機具屋さんも忙しく、小さなトラブルは自分で対処しなければ間に合わない。
1.草刈り機エンジンの回転数が上がらない
プラグ交換、マフラーの煤落とし、プライマリーポンプの交換、キャブレターの清掃と一通りやりましたが回復せず。
結果的には「燃料タンクのフィルタの目詰まり」と判り、無事に回復しました。
2.スパイダーモアの回転数が上がらない
中古で導入して本当に活躍してくれているスパイダーモアですが、まれにエンジンが吹き上がらないという持病がありました。
これも一通り分解整備しましたが「燃料ブリーザーの目詰まり」という思わぬ原因と判明しました。
パーツが届くまで3週間くらい掛かるので、緊急措置として燃料キャップを少し緩めて陰圧を防いで対処しています。
3.トラクターがドナドナされる
七三農園の大黒柱、クボタGB18馬力がトラブル。
「ユニバーサル・ジョイントの留め金」と「トップリンク」が破損。ブッシュの交換。
請求書が怖いですが、何とか無事に戻ってきてくれました。
4.トラクターの刃を交換
これはトラブルではありませんが、恐ろしくチビてしまった刃を交換。
新畑の開墾にトラクターを酷使するため、やや大きい出費ですが交換しました。
5.エンジンポンプの破損と買い替え
トマトハウスや畑の潅水に使うエンジンポンプが破損しました。
これまで4サイクルを使っていましたが、この機会に2サイクルに変えました。
1台ではとても間に合わないため、2台を購入し、快適に使っています。
6.ハンマーナイフモアのクローラーが破損!
ハンマーナイフモアは緑肥を粉砕したり、伸びすぎた雑草を粉砕するのにとても役に立つ機械です。
中古のクローラー式ハンマーナイフモアをメンテナンスしながら使っています。
導入して5年目でゴムクローラーが破損。
純正品は6万円+整備費が掛かるので、何とか社外品の安いのを探して自分で組付ける予定です。
これらのトラブルのおかげで、出費は嵩みましたが、メンテナンスの知識が増えたので良しとしましょう。
続いて「喜」もたくさんありました。
1.保育所とのつながり
昨年から市立の郷田保育所さんに有機栽培米を卸させていただいてましたが、今年は依頼を受けて「エディブルガーデン計画」を作らせていただきました。
東広島市では一部の保育園で「地産地消推進園」に取り組んでおり、園内に畑が設置されています。
その畑の特性を生かした菜園計画を作り、園児や先生たちと一緒に給食に使う野菜を育ててきました。
郷田保育所は自校式の給食なので、園内で獲れた野菜をもっとも新鮮な状態で食べることが出来ます。
園児と先生が育てたズッキーニ、じゃがいも、玉ねぎ、市内産の小松菜や黒瀬牛を使って地産地消カレーを作ったそうです。
秋には抑制栽培カボチャの苗をお届けしたり、大根の栽培を手伝う予定になっています。
2.新しい圃場の開拓
年末に7反を返却するため、新たに6反をお借りしました。
8月から定植できるように準備の真っ最中です。
トラクターでの耕耘は、暑すぎて他の作業が出来ない12時から16時の間に行うのでかなりシンドイですが、草ボウボウでイノシシの巣になっていた休耕地が整備されるので、地主さんも喜び、地域としても喜ばれると思います。
返却する田畑も、引っ越してこられたご夫婦が使ってくれるようなので、地域全体として休耕地が減ることは喜ばしいことです。
3.機械メンテナンス知識の増加
上にも書いたように度重なる機械トラブルによってメンテナンスの知識が増えましたよ!
4.草刈りのスピードアップ&労力軽減
ハンマーナイフモアの故障(クローラー破損)でしばらく大掛かりな粉砕は出来ませんが、代わりにスパイダーモアが思った以上の成果を発揮してくれています。
地面がフラットであれば、80センチくらいまで伸びたセイタカアワダチソウも粉砕可能。
気になる隣近所との境界部分も、石跳ねを気にせず刈れる。
畝間の除草もバリバリ。
粉砕した草は畝に積み上げてマルチ代わりの「敷き草農法」も出来そう。
5.トマトが順調
昨年、不調だったハウストマトですが、今年は誘引方法を見直して今のところ順調です。
2.4mのイボ竹支柱を100本購入し、丁寧に縛り付けて「垂直農法」。
もちろん「連作」かつ「不耕起栽培」です。
8月中旬からは焼いて美味しいサンマルツアーノ・トマトがお届けできるはず。
来年は潅水システムを見直して、点滴潅水にしたい。
6.田んぼも順調(今のところ)
今年は補助金で新たに導入した「エンジン除草機」のおかげで、草もある程度抑えられています。
もちろん「自家採種」で無施肥の「自然栽培」かつ「天日干し」。
品種は「ゆめまつり」と「旭」。
保育園から通年の出荷を求められているので、何とか収穫量を確保したい。
7.環境の事業も順調に進む
農業以外のオシゴト、自然観察会の依頼も予定通り実施。
小学校の水辺教室、夏の昆虫採集会は無事に終了。
あとは森づくり事業のお手伝いが少々残っている。
いつか自農園に人を招いて「生きもの溢れる有機農園」の体験会もやってみたい。
≪今後の予定≫
厳しい気候の中で、野菜セットが途切れないように粛々と秋冬野菜の準備を進める。
初めての秋トウモロコシ、久しぶりの丹波種黒大豆が楽しみ。
11月からのハウス栽培に向けて、環境整備と土づくりを進める。
長年の課題である「育苗ハウスの新設」「出荷庫の整備」に何とか着手する。
体調は万全で問題無いのでケガをしないように注意する。
3年連続の厳しい気候と獣害のため、収益は非常に厳しい(完全に倒産レベル)ですが、資金的には妻に支えてもらいながら何とかやっています。
全国的に見ても、この危機を乗り切れなかった農家の離農は進むでしょう。
ニュース記事によると世界的に食糧危機の危険性が高まっているとのこと。
日本では米どころでの干ばつ被害と備蓄米の枯渇が問題となっています。
今回の米騒動の裏には「堂島取引所でのコメ先物取引」再開が効いていると思います。
米不足になった方が儲かる人たちが群がって投資したのですよ。
主食である米をマネーゲーム投資の対象にしてはならいのです。
何とか知恵を絞って、協力し合って、この厳しい状況を乗り切って行きたいものです。































